”楽らく便2.0”が来週から始まります。
本当のサービスとは何か?企業が(小さいスーパーですが..)地域貢献できることとは何か?自分の中でぶつけた事業が”楽らく便2.0”です。
孤独死ということを現実に実感したのがおととしの事。今思えば、そんなに時がたったのかと思います。その方はあまり買い物に不自由を感じる場所に住んではいなかったと思います。人との接触を拒み、ただ生きるために「楽らく便」を利用し、食するためにだけに、弊社のサービスを使っていたのかもしれません。
訪問するとそこはごみ屋敷。玄関が開かないくらい生ごみが積み上げられていて、虫はもちろん、臭いがたまらないのはとても印象深いです。私がほとんどそこに行っていたのですが、たまにバイトの人に頼み(気の毒には感じたのですが)全ての注文を弊社がお受けしていました。
自称、うつ病。人と接触することは絶対したくない。でも彼が許した食を通した人との出会い。私は一生忘れません。電話注文というとてもアバウトでコミュニケーションを頼りにした受注・配達サービス「楽らく便」。彼は気を許す私には冗談もいえました。「明日飲みに行こうよ」そう言った彼は心を許していました。本当に飲みに行って、ふつうの生活を取り戻してほしいと思った私が「分かりました。爪を切ってひげを剃ってくれたら一晩中、一緒に飲みに行きます」と本気で言いました。
彼は照れて、「本気で飲みに行こうって言ってくれたのはあんただけ」というと、照れて言葉をぼかしました。私の思いとは逆行し、彼の注文は日に日に減り、食べることも苦労する。ビールを飲むこともつかれるという言葉が目立ちました。
2週間彼から注文がないことを少し気にはしながら、業務をしていると、警察が来てこの人は知りませんかと、彼の運転免許証を見せてくれました。すぐ分かりました。
なんで警察が私の元に来たのかは、彼の家にある唯一のレシート「Jマート」。すべての買い物はそこですまし、彼が最後に私にお願いしたこと。「お金をおろしてきてください」。
私は、おろしてきました。それが彼のためと思ったからです。でも彼が死に、それは地域のためではないとすぐ気づきました。
また、彼と同じような方が現れました。うつ病、痴ほう症、症状を見るといつも彼を思い出します。彼の死を見たいま、すぐに相談。特に地域の包括支援センターに相談します。すぐ分かる。彼が教えてくれた「助けて」の声が。今も思います。彼が死ななかったら、こんなことには気づかなかったと。
地域の見守りは、一人では絶対できません。きっとみんなで気持ちよくできる状況を作らないとできません。だから、少しでも多くの目でいろんな人を見守れるようにサービスを開始します。
少し、ややこしい話ですが。話は簡単。地域の目で地域の人を見守る。商売を考えるとあまり見えない部分ですが、きっと地域の事を考えないと商売だってできない。これは小さいスーパーだって小さい八百屋さん、魚屋さんだって関係ないです。みんな一緒の意識でやっていけば、日本一買い物に不便な地域だって、高齢化が進む地域だって、みんなが喜んで暮らせる地域はみんなで作れるはずです。
利益は大事。事業を続けるために。でも地域も大事、人が幸せに暮らすために。地域貢献が企業としてできること。
大手の企業みたいに、雇用がすべての地域貢献なんて言えません。雇用する力もないんで。でも、思いは負けません。彼が私に教えてくれたこと。何も言えない彼が私に伝えたこと。
今の状況を絶対に変えて見せます。頑張って人が笑って暮らせる地域へ。「楽らく便2.0」をスタートさせます。
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